1on1で世代間ギャップを埋める“キラーワード”質問集 30問

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【はじめに】

1on1を始めてみたものの、

  • 「何を聞けばいいのか毎回迷う」

  • 「結局、業務の話と雑談で終わってしまう」

  • 「体調やメンタルの変化をうまくキャッチできていない気がする」

そんな感覚をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

前編の記事
世代間の価値観ギャップを解消!1on1を成功させる設計と運用のコツ
では、「なぜ1on1が世代間ギャップの橋渡しになるのか」「どう設計・運用するか」を整理しました。

本記事ではさらに一歩踏み込み、明日からそのまま使える“キラーワード質問集” をご紹介します。

  • モチベーション

  • 体調・心の状態

  • プライベート・ライフバランス

  • 職場の人間関係

  • 成長実感・キャリア

という5つの観点から、コンディションの経年変化(トレンド)も追える質問を30個に厳選しました。


なぜ「定点観測できる質問」が大事なのか?

1on1で状態を把握したいとき、場当たり的な質問だけだと「そのときどきの気分」で終わってしまいます。
そこで役立つのが、**毎回同じフォーマットで聞ける“定点観測質問”**です。

この質問集では、共通のフレームとして
「◯◯な状態を100だとすると、今は何点くらい?」
という聞き方を多用しています。

この形を使うメリットは、次の3つです。

  1. 状態を数字で“つかみやすく”なる

  2. 回を重ねたときの変化が見えやすい(経年変化)

  3. 「なんとなく不調」も会話にのせやすい

ただし、数字そのものより重要なのは、

  • なぜその点数になっているのか(マイナス要因)

  • その点数でも何とか保てている理由(プラス要因)

この両方を傾聴で深掘りすることです。
マイナス側を聞けばリスクに気づけますし、プラス側を聞けばその人の価値観・支えになっているものが見えてきます。


質問を使うときの3つの原則

質問集に入る前に、使い方の原則をサクッと整理しておきます。

  1. 全部は聞かない(テーマを絞る)
    毎回30問も聞いたら、尋問のようになってしまいます。
    1回の1on1では、各カテゴリから1〜2問ずつ程度にとどめましょう。

  2. 数字のあとに、必ず理由を聞く
    「何点?」で終わらせず、

    • 「その点数にした一番の理由は何ですか?」

    • 「前回と比べて上がった/下がったと感じるところは?」
      と“なぜ・どこが”を聞くことで、対話が深まります。

  3. マイナスだけでなく、プラスも丁寧に聴く
    調子が悪そうなときはマイナス要因が気になりますが、
    調子が良いときこそ「何がうまくいっているのか?」を聴いておくと、その人の価値観がよく見えてきます。

質問集を“傾聴キラー”にしないための5つのルール

1on1で質問集を使うときにいちばん避けたいのは、
「質問すること」が目的になってしまい、肝心の“聴くこと”が置き去りになることです。

ここでは、質問集を使っても傾聴が弱まらないようにするための5つのルールをお伝えします。

ルール1:質問は「台本」ではなく「灯り」として使う

  • 質問集は**チェックリストではなく“会話のヒント集”**と捉える

  • 「全部聞く」のではなく、「今日はこの1〜2問を軸にしよう」と事前に絞る

  • 面談中に焦っても、無理に全部回収しない(むしろ捨てる勇気を持つ)

✅ 意識ポイント
「この30分で全問聞き切る」ではなく、
「この30分で“1つ深く話せた”と思ってもらえるか」をゴールにする。


ルール2:質問をしたら、“沈黙を怖がらない”

よくあるNGパターンは、

質問する → 相手が考える → 沈黙が怖くて、すぐ次の質問をしてしまう

これをやると、相手が内側を探って言葉を探す時間がなくなります。

  • 質問を投げたら、**5〜10秒は“あえて黙る”**ことを自分に許す

  • 相手が言葉を探している様子なら、「ゆっくりで大丈夫ですよ」と一言添える

  • それでも出てこないときだけ、「例えば最近だと…」と選択肢を少しだけ出す

✅ 意識ポイント
「沈黙=失敗」ではなく、
沈黙=相手の内側で何かが動いている時間と捉える。


ルール3:数字より“理由”を2〜3倍長く聴く

この質問集は「100点満点で何点?」形式が多いですが、
点数そのものはきっかけでしかありません。

  • 点数を聞く → すぐさま「その理由」を掘る

    • 「その点数にした一番の理由は何ですか?」

    • 「前回と比べて、どこが変わりました?」

  • 1問あたり、

    • 点数確認:10秒

    • 理由を聴く:2〜3分
      くらいの感覚でちょうどいいです。

✅ 意識ポイント
「質問:話を聴く=1:3」くらいを目安にすると、
インタビューではなく**“じっくり話を聴いてもらった感”**が出やすくなります。


ルール4:オウム返し・要約をセットで使う

傾聴の基本ですが、質問集と相性がいいのが オウム返しと要約 です。

  • オウム返し(感情+事実)

    • 「最近、元気度は60点くらいで、特に睡眠がスッキリしない感じなんですね」

  • 要約

    • 「つまり、仕事そのものは嫌ではないけれど、タスクが多くてオンオフの切り替えが難しい、という感覚でしょうか?」

これを挟むことで、

  • 「ちゃんと聴いてくれている」

  • 「自分の話を整理してもらえた」

という感覚が生まれ、次の本音が出てきやすくなります。

✅ 意識ポイント
新しい質問を足す前に、
**「いま聞いた内容を一度、こちらの言葉で返す」**ことを挟む。


ルール5:最後に「今日一番話してくれてよかったこと」をフィードバックする

質問をいろいろした後、
そのまま「では、ありがとうございました」だと、「結局何だったんだろう…」感が残りがちです。

締めにひと言、

  • 「今日、特に聞けてよかったのは○○の話でした」

  • 「△△の点数の理由のところは、私にとっても大事な気づきでした」

と、**こちら側の“受け取った価値”**を返しておくと、

  • 「ちゃんと聴いてもらえた」

  • 「話したことが意味のあることだった」

という実感につながります。

✅ 意識ポイント
「今日はここが印象に残った」と伝えることで、
相手の中に**“話してよかった”というポジティブな記憶**を残す。

 

モチベーション・仕事の前向きさを知る質問

数値で聞くキラーワード

  1. 入社時モチベーションとの比較(中途入社向け)

    「入社したときのモチベーションを100だとすると、今は何点くらいですか?」

  2. “普通に前向きな状態”との比較

    「特別に落ち込んでもいないし、そこそこ前向きに働けている状態を100とすると、最近の仕事へのポジティブ度は何点くらいでしょう?」

  3. やりたいこととのギャップ

    「“やりたいことにかなり近い仕事ができている状態”を100だとしたら、今の『やりたいこと度』は何点くらいですか?」

  4. 週のはじまりの感覚

    「月曜の朝に『まあ悪くないな』と感じられる状態を100とすると、最近の月曜モチベーションは何点くらいでしょう?」

  5. 業務内容の納得感

    「今の主な業務内容に対して、『自分らしく力を発揮できている』状態を100とするなら、今は何点くらいですか?」

フォロー質問の例

  • 「その点数にした一番の理由は何ですか?」

  • 「前回より上がった/下がったとしたら、そのきっかけになった出来事はありますか?」


体調・エネルギーレベルを知る質問

数値で聞くキラーワード

  1. 全体的な元気度

    「体も気持ちもすごく元気な状態を100とすると、今の元気度は何点くらいですか?」

  2. 睡眠の満足度

    「朝起きたときに『よく眠れたな』と感じられる状態を100だとしたら、最近の睡眠の満足度は何点くらいでしょう?」

  3. 1週間の疲れやすさ

    「1週間トータルで見て、疲れがたまりにくい状態を100とすると、今は何点くらいですか?」

  4. 日中の集中力

    「日中の集中力が安定している状態を100とすると、最近の集中しやすさは何点くらいでしょう?」

  5. 仕事終わりのエネルギー残量

「仕事が終わった後、『まだ少し自分の時間も楽しめる』くらいの余力がある状態を100とするなら、今のエネルギー残量は何点くらいですか?」

フォロー質問の例

  • 「仕事とプライベート、どちらの影響が大きそうですか?」

  • 「職場としてサポートできそうなことがあれば、どんなことがありそうでしょう?」


心の状態・ストレスを知る質問

数値で聞くキラーワード

  1. メンタルの安定度

「心が比較的落ち着いていて、余裕を感じられる状態を100とすると、最近のメンタルの安定度は何点くらいですか?」

  1. モヤモヤの少なさ

「不安やモヤモヤが少なく、頭がクリアな状態を100としたら、ここ1〜2週間の“スッキリ度”は何点くらいでしょう?」

  1. ストレスの“ちょうど良さ”

「ストレスが高すぎも低すぎもしない、“ちょうどいい緊張感”の状態を100とすると、今のストレスバランスは何点くらいですか?」

  1. 感情の揺れの大きさ

「日々の感情のアップダウンが小さく、安定している状態を100としたら、今はどれくらいに感じますか?」

  1. 相談できている感覚

「しんどいことがあっても『誰かに話せている』状態を100とすると、最近の“相談できている感”は何点くらいでしょう?」

フォロー質問の例

  • 「点数を下げている一番の要因は、どんなことですか?」

  • 「その中で、今いちばん小さくできそうなものはどれでしょう?」


プライベート・ライフバランスを知る質問

数値で聞くキラーワード

  1. プライベートの充実度

「理想に近いプライベートの過ごし方ができている状態を100とすると、今の充実度は何点くらいですか?」

  1. 仕事と生活のバランス

「仕事とプライベートのバランスが“ちょうどいい”と感じられる状態を100としたら、今はどれくらいでしょう?」

  1. 家族・友人との時間

「家族や友人との時間を、無理なく確保できている状態を100とすると、最近は何点くらいですか?」

  1. 自分だけの時間の確保

「趣味や一人の時間など、“自分のための時間”を取れている状態を100としたら、今の状態はどれくらいでしょう?」

  1. 将来への安心感

「プライベートも含めて、将来に対する不安が大きくはない状態を100とすると、今の安心感は何点くらいに感じますか?」

フォロー質問の例

  • 「点数を上げるために、今いちばん改善したいところはどこですか?」

  • 「会社側で少し配慮できそうなことがあれば、どんなことがありそうでしょう?」


職場環境・人間関係を知る質問

数値で聞くキラーワード

  1. 相談しやすさ

「職場で『気軽に相談できる人がいる』と感じられる状態を100とすると、今の相談しやすさは何点くらいですか?」

  1. チームの安心感

「チームの雰囲気に安心感があって、意見を言いやすい状態を100としたら、今のチーム安心度は何点くらいでしょう?」

  1. フィードバックの受け取りやすさ

「周りからのフィードバックを、比較的素直に受け取れる状態を100とすると、最近の“受け取りやすさ”は何点ですか?」

  1. 孤立感のなさ

「職場で“ひとりで浮いている感じがしない”状態を100としたら、今の孤立感のなさは何点くらいでしょう?」

  1. 上司との関係性(踏み込める関係かどうか)

「上司である私との関係が、『ある程度本音で話せる』状態を100とすると、今は何点くらいに感じますか?」
※ 関係性ができてから、冗談めかしつつ聞くのがおすすめです。

フォロー質問の例

  • 「その点数をもう少し上げるために、私やチームに期待したいことはありますか?」

  • 「逆に、『ここは気に入っている』というプラスの点も教えてもらえますか?」


成長実感・キャリアの見通しを知る質問

数値で聞くキラーワード

  1. 成長の実感

「この1年くらいで、『自分は成長してきたな』と感じられる状態を100とすると、今の成長実感は何点くらいですか?」

  1. スキルアップの手応え

「身につけたいスキルに対して、ちゃんと前進できている状態を100としたら、今はどれくらいでしょう?」

  1. キャリアの見通し

「3〜5年後のキャリアのイメージが“なんとなく描けている”状態を100とすると、今の見通し感は何点くらいですか?」

  1. チャレンジ機会の多さ

「興味のある仕事・新しいチャレンジの機会が、そこそこある状態を100としたら、今は何点くらいでしょう?」

  1. 会社とのフィット感

「会社の方向性と自分のキャリアの方向性が、それなりに合っている状態を100とすると、今のフィット感は何点くらいですか?」

フォロー質問の例

  • 「もし10点上げるとしたら、どんな経験や役割があると良さそうですか?」

  • 「世代や立場に関係なく、『これは自分らしい』と言える強みはどこだと思いますか?」


世代間ギャップを“数字と対話”で橋渡しする

ここまで30問を一気にご紹介しましたが、実際の1on1では 全部を使う必要はまったくありません

  • 状態を継続的に見たい軸(例:元気度・メンタル・モチベーション)を2〜3つ決める

  • その軸については、毎回同じ質問で“定点観測”する

  • 数字の理由・前回からの変化・プラス要因を丁寧に聴く

この3点を意識していただくだけで、
単発の面談では見えなかった 「経年変化のストーリー」 が見えてきます。

また、点数が低いときだけでなく、高いときにこそ「何がうまくいっているのか」を深掘りする のもポイントです。
そこには、その人の価値観や、世代を超えて大事にしているものが表れます。

世代間の価値観ギャップは、完全にはなくならないかもしれません。
それでも、こうした質問を通じて状態と価値観を“見える化”し、
数字+対話 で橋渡ししていくことは、マネージャーにとって強力な武器になります。

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